オール讀物・担当編集者は語る

故・井上ひさしさんの幻の戯曲原稿発掘!

プロフィール

おーるよみもの/創刊以来、常にエンターテインメント小説の最前線を追いかけ続けてきた小説雑誌です。年に2度、全国の小説ファンが注目する直木賞も本誌で発表されます。戦前の「銭形平次」をはじめとして、池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」、今現在では平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」を代表とする数多くの人気シリーズほか、大家も期待の若手作家も、時代小説も現代小説も推理小説も、今の小説界がここに盛り込まれている、と断言できます。また、旅行、食べ物、教養、人物評伝など「讀物」も満載、活字における娯楽の愉しみを今後も追求していきます。

大学の恩師であるポール・リーチ教授がこの翻訳に関わっていると思われる(写真は昭和47年「別冊文藝春秋」より)

 まずこの草稿が書かれた時期は、几帳面だった井上さんが克明に記していたノートから明らかに。それによると昭和32年11月頃、「サンチャゴ」の翻訳料で『モリエールのドラマツルギー』(小場瀬卓三著)を求めたとのこと。さらにこのメモとの比較や、大学時代のご友人やご家族の証言からも自筆にまちがいないと判明しました。

この戯曲は『吉里吉里忌2016』で展示公開の予定
※クリックすると拡大します

 同時に関係者の方々の調査によって、井上さんが通っていた上智大学文学部のポール・リーチ教授が、カトリック総合雑誌「世紀」昭和33年1月号に寄せた論文で、この戯曲の作者・モンテルランと「サンチャゴの騎士団長」を取り上げていたことが明らかに――おそらく教授からの依頼で翻訳されたと思われ、さらに興味深いことには、このリーチ教授がモデルの一人とされる井上さんの小説『モッキンポット師ふたたび』の中に、「サンチャゴの騎士団長」という同名の一篇もあったのです!

 となると、ますます興味が出てくるのが肝心の戯曲の内容。ぜひ、「オール讀物」4月号に掲載された全文をお読みいただき、作者の創作の源流に思いを馳せてください。

オール讀物 2016年4月号

定価:980円(税込) 発売日:2016年3月22日

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