オール讀物・担当編集者は語る

「最近の若い者は」などという常套句を寄せ付けない。頼もしいぞ、高校生! 第3回高校生直木賞レポート

プロフィール

おーるよみもの/創刊以来、常にエンターテインメント小説の最前線を追いかけ続けてきた小説雑誌です。年に2度、全国の小説ファンが注目する直木賞も本誌で発表されます。戦前の「銭形平次」をはじめとして、池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」、今現在では平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」を代表とする数多くの人気シリーズほか、大家も期待の若手作家も、時代小説も現代小説も推理小説も、今の小説界がここに盛り込まれている、と断言できます。また、旅行、食べ物、教養、人物評伝など「讀物」も満載、活字における娯楽の愉しみを今後も追求していきます。

 高校生直木賞は過去1年の直木賞候補作の中から、高校生が自分たちにとっての1冊を決める試みで、一昨年から始まり、今年で3回目の開催です。

 北は北海道、南は九州から19校が参加。参加校を2班に分けて、第153回、第154回の直木賞候補作それぞれについて校内予選で議論してもらい、その結果を受けて下記の最終候補作に絞られました。

 青山文平『つまをめとらば』(文藝春秋)

 門井慶喜『東京帝大叡古教授』(小学館)

 西川美和『永い言い訳』(文藝春秋)

 深緑野分『戦場のコックたち』(東京創元社)

 宮下奈都『羊と鋼の森』(文藝春秋)

 柚木麻子『ナイルパーチの女子会』(文藝春秋)

各マスメディアも臨席し、選考会は緊張と高揚感とがないまぜに

 この6作をさらに校内予選にかけたうえで、受賞作を決定する全国大会に各校の代表生徒が臨みました。

 参加校数は過去最多で、昨年に比べて7校増。嬉しい悲鳴を上げつつも、「19名での議論が成立させられるのか?」と、実行委員会の面々は頭を悩ませるばかり。

 本家・直木賞の選考委員は9名なので、高校生直木賞全国大会では約2倍の人数をさばくことになります。司会を務めるのは本家同様に「オール讀物」編集長ですが、いつもとは違った緊張感を漂わせていました。

 さらに、今回は新たな試みとして、オーディエンス席を設け、新聞などマスメディアの取材も入ることに。「衆人環視のもと高校生は緊張せずに話せるか」「会場全体に議論の声が行き届くだろうか」など、不安の種は尽きません。会場設営の段階から、机や椅子の配置を試行錯誤したり、マイクを導入したりとできる限りの工夫を凝らしたものの、本番で上手くいくかはわかりません。

 落ち着かぬ気持ちを抱えたまま、ゴールデンウィーク真っ只中の5月4日、全国大会当日を迎えました。

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ナイルパーチの女子会
柚木麻子・著

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