連載
文春写真館 あのとき、この一枚
家人も寄せ付けなかった城山三郎の書斎

家人も寄せ付けなかった城山三郎の書斎

「文藝春秋」写真資料部

 城山三郎の自宅の書斎は厳重に管理されていた。

〈鉄の扉を開くと、木の扉があり、さらに襖を開けないと、この書斎には入れない。家人も寄せ付けないというほど、この書斎は厳重に外部と遮断されている。ここにも氏の執筆姿勢がしのばれる〉(「文藝春秋」昭和五十三年=一九七八年十月号)

 城山三郎は昭和二年(一九二七年)年生まれ。少年兵として戦争を体験した。昭和三十四年〈総会屋錦城〉で直木賞を受賞。経済小説の先駆者として数多くの作品を残した。晩年のエッセイにこう記した。

〈残された私の歳月には限りがある。あの世へ行ってから悔やんでも始まらない。それよりもやはり仕事を追って、猟犬のように生き、いつかはくたびれた猟犬のように果てることだ。

 ワープロも、コンピュータも使えぬ私は、3Bの鉛筆で下書きをとっては、ペンで原稿用紙に向かう。仕事に追われているより仕事を追っている気分に、ほんの一時、救われている思いで〉(「仕事と人生」角川文庫より)

 平成十九年(二〇〇七年)没。

画像貸出しについて
文藝春秋写真資料部は、テレビ、新聞、雑誌をはじめさまざまなメディアのニーズに迅速にお応えできるよう貸出しの体制を整えております。デジタル化された写真データは、現在約25万点。「文藝春秋」の「日本の顔」はじめ数々の企画もの、「週刊文春」のスクープ写真、「Number」のスポーツシーン、「CREA」や「CREA TRAVELLER」の国内外の自然の風景、さらには戦前の人物や行事を取り上げた資料的価値の高い貴重な写真もとりそろえております。
詳しいお問い合わせはこちらまで
(株)文藝春秋 写真資料部  電話:03-3288-6122 FAX:03-5276-7004
関連ワード

登録はこちら

本の話とは

「本との出会いは人との出会い」をモットーに文藝春秋刊行の単行本、新書、文庫の最新情報を「月刊文藝春秋」誌内を舞台に詰め込みました。毎号話題の新刊を数多く取り上げ、書評、インタビュー、対談などで多角的に著者や作品のテーマに肉迫します。このほか、ウェブでは多彩な筆者による連載も掲載しています。

2012年2月号

<著者インタビュ>白石一文

<自著を語る>山名哲郎

2012年2月号

目次を見る